見える化の催促
業務改善というと必ずどんなビジネス書にも出てくるのが「見える化」の促進です。
見える化とは簡単に説明すると、企業内にある各部門ごとの障壁を取り去り、それぞれの部署でどんな業務を行なっているかをお互いに把握できるようにするという作業全般のことを言います。
大企業などでありがちなパターンとしては、ある特定の部署では連日終電までほとんど全員がフル稼働をしているのに、同じ企業内の別の部署では繁忙期以外は定時で上がることができるといった場合です。
もちろん、営業の仕事を開発の人が肩代わりするといった専門性が必要な業務は例外ですが、例えば事務作業など他の部門に渡しても特に問題がないものに関しては、別の社内の部門に任せることで本来業務に専念がしやすくなるということもあるでしょう。
ロスやムダをなくす
見える化の目的は、それぞれの業務内容を透明化して、壁によって起こるロスや無駄をできるだけ無くすということです。
基本的に企業内の仕事は流れ作業によって行うので、ある特定の分野のみに仕事が集中してしまうとそこで停滞してしまい、次の工程にうまく仕事が流れていきません。
業務において粉飾や隠蔽が起こるのは、このような特定の部署にのみ特定の仕事が集まりすぎてしまうような場合が多くなっています。
とても今の人数だけではさばき切れない業務を連日していると、ついにキャパシティーがオーバーしてしまい、ある部分の業務をなかったコトにして隠したり、時に支払いや集金をほったらかしにしてしまうようなケースもあります。
業務改善をする時には、まずその部署で働く人の資質や業務能力ばかりを責めたりするのではなく、現在どのくらいの内容の仕事をしていて、どこに無駄な時間を取られているかをしっかりありのままに把握するという姿勢が求められます。
現状把握
見える化のもう一つの目的は、その現状把握です。
現状を正しく把握できていないと、なんとなくイメージで「忙しいから儲かっている」「暇だから危ないかもしれない」といったような、感覚だけで社内の様子を判断してしまいがちです。
ですが、近年では財務計算の方法が複雑化してきており、黒字倒産といったような数字のみのねじれが起きてしまうこともよくあります。
すべての人が財務内容など専門的なことまでを知る必要はありませんが、財務責任者や経営者は労働時間とそこから生まれる売上高を細かくチェックしておくことが大切です。
見える化は、業務をする人にも経営をする人にも大変有効な手段なのです。