不祥事を防ぐための報告・管理システム

目標設定をする

具体的な業務改善をする前にまず考えてもらいたいのが、その業務改善によって何を目指すのかという目標設定です。
業務改善をしたいと感じるきっかけは、おそらくほとんどの経営者や責任者さんによる「経費節減」をしたいと思うことでしょう。

売上が思うように伸びない現在の状況においては、普段の業務にかかる経費をできるだけおさえ、利幅を維持しようとするのが企業維持のための主流となる考え方です。
業務改善には2つの側面があり、ひとつは「より効率的に売上を伸ばすことができるようにする」とこであり、もうひとつが「不要な出費を抑えて出ていく金額を減らす」ということです。
業務改善をするときにはこのプラスの確保とマイナスの抑制という2つを両輪と捉えて、どちらかだけに偏らないように適切に処理方法を考えていくようにしましょう。

業務改善をするとき、経費削減以上の効果が期待出来るのが「管理部門」となる経理や事務、総務といった間接部門です。
間接部門は営業などのように直接的な利益を生み出す部署ではありません。
そのため、業務改善努力をするためにはいかにしてかかっていた経費を削減出来るかということがポイントとなります。

ポイントは「見える化」

業務改善をするときに基本的な考え方となるのが「見える化」の促進です。
見える化とは、個々人の業務に壁をできるだけ作らないようにし、携わる業務内容を流動的に多くの人が担当出来るようにしていくことでもあります。
昔ながらの企業などでは、長年にわたってひとつの業務をその人だけが担当しているようなことも多く、その場合、急な休みや退職が起こると引き継いで業務を行う人がいなくなってしまいます。
担当している業務内容には特に専門性がないような業務であっても、長年その人しか担当していないと細かい分をあとから把握することは難しくなってしまいます。

管理部門における業務改善では、一人しか出来ない業務内容をできるだけ減らし、マニュアルを作成したり勉強会を開いたりして、緊急時に対応ができるようにしていくことが大切です。
また、見える化を進めることで内部での不祥事を未然に防ぐことも出来ます。
経理業務は、多額のお金を預かる仕事であるので、他の人からのチェックが入らないと簡単に横領などが出来てしまいます。普段はまじめな人も、ちょっとしたきっかけでついということもあるかもしれません。

そこで見える化を適切に進めると同じ経理業務を複数の人がチェックするように出来るので、出来心による横領などを防ぐことにも効果を期待出来ます。