大局的視点と局所的視点

バランスが重要

業務改善を進める上で大切なのは、大局的な視点と局所的な対処方法の両方をきちんとバランスをとりながら実践していくことです。

経営者や管理職の視点でみると、どうしても大局的な物事の見方にこだわってしまうので、現場の状態などよりも外見的な健全性を優先させて考えてしまうこともよくあります。
外観をよくするための方法として、例えば現場でやりとりしている書類の書式を社内一律のものを使用するようにしたり、報告やチェックを必ず定時に行うといったやりかたがありますが、それを導入したからといって必ずしも業務が改善できるとは限りません。

非常によくあるケースですが、企業経営や業務改善について専門の学校などで学んだ人はそのようにすべてが統一されればそれだけ業務内容はよくなるはずという思い込みを持っています。
ですが、それによって確かに改善される部分もあるものの、むしろ導入をしてしまうことで現場の効率を大きく落としてしまうようなこともよくあります。

同じ社内であってもその業務を行うためのノウハウはそれぞれの部署や責任者によって少しずつ積み重ね築かれてきたものであるため、それを無理やり同じ形に持って行こうとするとどこかに必ず無理が出てきてしまいます。
現場で実際に勤務をしている人の様子を見つつ、そこからどのような方法をとっていくかということを考えることが、業務改善計画においては最も大切になります。

かといってすべてを現場まかせにしておけば業務は自然に改善していくというわけではありません。
中には明らかに非効率な方法を「これまでやってきたから」という理由だけで続けている例もありますし、ちょっとしたミスが大きな危険を生み出してしまう可能性があるリスクを放置しているような場合もあります。
そうしたケースに対処するためには、業務改善計画においてはまずどこをどう改善すべきかという大きな柱を大きく打ち出していくことが必要になってきます。

安全性、成長性、強靭性

具体的には、収益を高めるための活動をする際には「安全性」「成長性」「強靱性」の3つを意識して計画を立てていきます。

安全性とは、その業務を行う上で大きなリスクの危険性がないかということです。
成長性とは、その業務を継続して行うことは成長につながるかどうかということです。
強靭性とは、もし不測の事態が起きたときにすぐに対応できる体制ができているかということです。

業務改善においては、決して見た目や管理のしやすさだけを優先させてはいけません。