業務改善と会社のステップ

企業の成長のステップ

企業における業務改善を考えるとき、無視して考えることができないのがその企業が現在どのステージにいるかということです。
企業は人の成長と同じく、いくつかの段階に分かれます。
創業して間もない時期の企業は従業員数もおそらくそれほど多くなく、少人数の意思疎通の取りやすい仲間同士で協力して業務を行なっていることでしょう。
ですがある程度企業の業績が順調に伸びてくると、それまで使用していたオフィスをより広いところに移したり、一つのみで行なっていた社内の業務課を複数に分割して組織として機能をしていけるようにしなくてはならなくなってきます。
この成長が進むことを企業における「安定成長期」と呼びますが、この時期に適切に業務改善計画をしていけるかどうかがより長期的に企業をもたせていけるかどうかの分かれ目になってきます。
企業の規模が大きくなってくると、より広い場所から資金調達をしていくことにもなるので、外部に向けて適切に業務内容を公表したり、株主を新たに募集していったりします。

創業期と成長期

創業期においては、ほとんどの場合内部統制機能は経営者自身が行います。
人数や規模が少ない段階であれば、経営者本人が経営内容をしっかりと把握をしつつ、従業員がどのような体制で業務遂行をしているかを逐次把握していくことができます。
ところが経営者以外の株主が増えてくると、組織的に命令系統が複雑化していくため、一定のガバナンスを築かなくてはならなくなってきます。
成長期は順調に業績を伸ばしていた企業が安定期に入って突然伸び悩むのはこのような組織編成の失敗が大きな要因となっています。
つまりそれまでは適切な命令伝達や報告ができるようになっていたところ、命令指揮を行うところが複数になることで全体像を把握できる人がいなくなり、自然と足並みの乱れた組織となってしまうということです。

安定期

安定期に入った企業はどのように体制を作っていくかは、まずは大きな社内方針を決めることから始めます。
小さな規模のときには、とにかく1円でも経費を浮かし、売上を伸ばすための努力をしていればよかったのですが、規模が大きくなったときも同じ思想のままではいけません。
より企業を伸ばしていくためには必要な経費はどうしてもかかってきますし、売上さえ伸ばせばそれでよいというわけではなく、社会的倫理に反する行為や違法な労働環境を改善していく努力が求められます。
企業の命運は自社のステージに合わせた軌道修正にかかっているのです。