業務改善は組織力を強めること

組織全体を強くする必要がある

業務改善をするということは、会社組織全体を強くしていくということです。
業務改善の大切な要件の一つが経費削減ですが、業務改善と経費削減をあまりにも直結させすぎてしまうと、必要ないざというときの準備費用までゼロにしてしまうこともあり、企業体質的にはむしろ弱体化をしてしまうことにもなりかねません。
無駄を省くという意味での業務改善は大変に重要なのですが、それが組織を弱くしてしまわないかどうか常に検証をしていくことが大切です。
過度なダイエットが長期的に健康面を大きく損ねてしまうようなものです。

組織を強化するには

業務改善が組織を強化することにつながる例として、まずは不透明であったお金の流れを明るみに出し、また社内の連絡、コミュニケーション体制を作るということがあります。
お金の流れをはっきり明るみに出すということを、「経理には報告しにくい融通部分をなくしてしまうことになる」と嫌う人もいるようですが、それは大きな間違いです。
そもそも経理に報告しにくいお金が営業のもとになっていたということが間違いなのですが、どのような用途にどれくらいかかっていたかをいうことをきちんとしておかなければ、その売上を上げるためにどのくらいの原価がかかっているかを計算することができません。
原価がはっきりしないということは、その売上が収益的にプラスなのかマイナスなのかがわからないということでもあります。
売上が上がっているという結果は確かに大切ですが、その裏側に正規に経理に報告できな経費が多量にかかっているのであれば、トータルでマイナスになってしまっていることもありえます。
売上を上げている本人にとっては自分の数字なので守りたいという気持はあるかもしれませんが、企業内部にとってどのくらいそれが意味のあることなのかということをはっきりさせないことには業務を改善して次の一歩に進むことができなくなってしまいます。
他の社員に報告できないお金があるということ自体が、どこか後ろ暗いことをしていることを認めているようなものです。

しかしこのような例でもトータル的な金額はマイナスでも、横のつながりを維持するために必要な経費であることもあります。
業務改善をするときには四角四面に「良い」「悪い」だけで判断をせずに、柔軟な姿勢で必要、不必要を判断していくことが必要になります。
独善的な方法もまた組織弱体化の原因になるので、よくよく事情鑑みて判断していくようにしましょう。