「トヨタ式片付け法」を現場に活かす

現場で役立つ!トヨタ片付け法

トヨタの自動車は常に世界トップクラスの性能を保ち、シェアも拡大中です。
いつの世にもトヨタの車は美しく素晴らしく、また信頼さえている自動車界のトップブランドです。

2015年の決算では過去最高益を出したトヨタですが、実はこの収益基盤を支える要因の一つとなっているのが「カイゼン」の取組なのです。
これは生産現場サイドの話ではなく、職場環境を変える素晴らしいカイゼンなのです。

トヨタで数百人クラスの部下を持つ元課長クラスによってつくられた、トヨタの現場の働き方メソッドをまとめたという「トヨタ仕事の基本大全」は今非常に注目の本です。

キレイがゴールじゃない

トヨタでは、片付けに5Sを利用しています。
これは整理、整頓、清掃、清潔、しつけという言葉の頭文字をとったもので、職場環境を美しく維持、向上するためのスローガン的なものとなっています。
この5Sの中で、最も効果があるとされる整理整頓について考えてみます。

整理整頓はそもそも、どうしてやるのかというと、効率よくものが並べられていること、すっきりしたデスク状態となっている事、さらに書類や部品などが散乱していないことなど、気持ちよく効率よく仕事ができる環境にするために行うことです。

つまり、きれいに片づけるということが目標ではなく、その中で効率よく業務するということが目標となるのです。

ムダを無くすということ

モノが散乱していたり、ごみごみと散らかっているという状態では、動作に無駄が生じます。
デスクの場合、スペースが不足するので必要なものを近くに置くことができず、手を伸ばしてとる、体を曲げてとる、歩いて取りに行くということが必要で、増して書類を探す時間なども出てくるので作業効率が落ちます。

トヨタ時代には530名もの部下を持っていたという元課長さんは、それだけの人を抱えてていてもキャビネット三つ、というデスクでした。
ほんとに必要なものなら、キャビネット、パソコンの中にきちんと保管されていて、机の上に乱雑に置かれているということは、大切ではないもの、イコール捨ててもいいものと考える事ができるといいます。

トヨタ時代にこの元課長は、必要な書類は10秒で取り出すことのできる環境を作るということが暗黙のルールだったといいます。
10秒で必要な書類を取り出すことができる環境を持っている人が、世の中の労働者に一体何人いるでしょうか。

在庫の無駄を省きミスを無くす

書類が10秒で取り出せるところにあり、作業がスムーズに進むと、動きに無駄がなくなり作業効率がアップするだけではなく、必要な書類を探す時間が省かれるので、仕事に余裕が生まれ、ミスも少なくなります。

在庫に無駄なものがあればその分、無駄なスペースを利用しているということにあるので、スペース確保の保管料を払うということにもつながります。
トヨタの片付け法をしっかりと行ってみると、効率のいい仕事というのはこういうことなのだということがわかってきます。