虚偽記載をする企業
上場企業をはじめ、有価証券を発行する会社は必ず有価証券報告書を内閣総理大臣宛に提出をしなければいけないこととなっています。
これは金融商品取引法の24条1項に明確に記載があることなので、企業における重大な義務の一つです。
ですがこの有価証券報告書は世間一般的に公表される書類となるため、この内容によって集まる投資にかなり影響が出てきてしまいます。
そのため少しでも投資家からの印象をよくしようと、実際の財務内容とは大きくかけ離れた記載をしてしまうこともあるようです。
過去にも大会社が虚偽記載をしたという事例が報告されており、その結果虚偽記載をした事実とともに上場を取りやめにされてしまったりその他厳しい罰則を受けたことがまた公表されています。
虚偽記載は企業の義務の中でもかなり重要な位置づけとなっているので、明るみに出た時にはかなり厳格な罰を受けることは覚悟をしておかなくてはいけません。
虚偽記載を起こさない組織を作る
虚偽記載というと財務担当者や経営者が一人の判断で行うものというふうにも思えますが、大会社の場合には一人二人の悪意によって起こるとは限りません。
財務に関する諸表を作成するときには各部門からの報告を受けて作成していくわけですが、この中のいち部門や複数が自分たちの業績をよく見せるために正しい報告をしないということもあるからです。
作成をする人は自己保身という狭い考えの中で行ったことでも、それが明るみに出ることにより会社全体が社会からの信用を失うような大きな問題に発展してしまうことがあるので、リスクは甚大と言えます。
そのため経営者は業務改善をする場合、虚偽記載を起こさないようにするための組織編成をしていくことが求められます。
アサーション
適切な財務情報を作成するための要件のことを「アサーション」と言います。
このアサーションの確保のためには統計をするときのフローチャートを作りそこできちんとチェックができるようにしていく必要があります。
なお虚偽記載については、その報告書のために損失をした人から損害賠償を求められることもあります。
過去の有名な事例では、西武鉄道の株主代表訴訟事件や、ライブドアの機関投資家による訴訟などがありました。
これらはいずれも有価証券報告書に悪質な虚偽記載をしたことで投資家が大きな損害をこうむったとされる事例でした。
虚偽記載では内部の管理部門ばかりでなく、外部の協力者も同様に課徴金を課すようにするなど、年々罰則が厳しくなる傾向もあります。