長野県須坂市役所

自治体組織の業務改善法

業務改善という言葉からある意味一番遠いところにあるように考えられてきたのが自治体組織です。
旧態然という言葉で批判をされることも多いように、特に地方における自治体組織では業務内容が数十年前からずっと同じ方法によるものとされていたり、民間の組織から見ると「どうしてそんなやり方を?」と首をかしげたくなってしまうところもしばしば見られていました。
しかしそんな地域自治体の中でも、民間に先駆け積極的な業務改善を試みている組織もあります。
そのうちの成功例として知られているのが、長野県須坂市の取り組みです。
長野県須坂市で行われた取り組みとしては「5S」に基づく基本的な方法ではありましたが、それを組織的に具体例を示しながら行ったことにより、かなりの効果を実績として上げることに成功しました。

5Sとは?

ちなみに「5S」とは、「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の5文字の頭文字をとったものであり、どんな企業にも共通して使うことができる業務改善の基本として知られています。
「5S」に基づく改善策というのは、簡単にまとめてしまえば作業をする環境を適切に保つための努力を社内一丸となって進めることで、ロスやミスをなくすことができるようにするということです。
それまでは作業をするスペースや社内の機材管理については、それを担当する個人の資質にまかせきりにしてしまうようなことがよくありましたが、それを社内の管理体制の一貫としてマニュアル化してしまって、誰が担当しても必ず同じ状態を保てるようにしていくのが目的となっています。
また整理整頓などの延長として、チーム内のコミュニケーションを円滑化するために挨拶を必ずするようにしたり、ルーズになりがちな時間や経費計算をきちんとしたチェック体制で行うといったこともこの5Sには含まれます。

さて長野県須坂市の取り組みですが、まず最も重視されたのがそれまで紙ベースになっていた書類を徹底的に整理するということと、公文書を電子化していくということです。
いくら地方都市とはいえこれまでの蓄積を合わせれば組織内で使用されてきた書類の数はかなり膨大です。
それを粘り強く業務内にまとめていくようにしたことで、最終的にはかなりの業務改善を達成することができました。
文書の管理体制を徹底したことにより、大切な書類の紛失を避けられるようになったとともに、一つ一つの業務にかかる時間を短縮することができたといいます。