平準化

「平均的に行っていく」モデル

業務改善の基本的な手法の1つに「平準化」があります。
「平準化」とは簡単にいえば、企業内での活動にかかるコストや時間、作業量などを特定の場所や時間だけに集中させるのではなく、平均的に行っていけるようにするということをいいます。
わかりやすい例でいうならば、夏休みの宿題を終わり頃になって一気にやるのではなく、毎日ちょっとずつやって期日までに完成できるようにプランを作っていくということになるでしょうか。

業務の標準化が必要な業種は、社内で行われるほぼすべてです。
営業であれば、特定の人や期日にだけ集中して仕事をするのではなく、均等にスタッフに仕事を割り振るようにすることです。
経理であれば月末処理や年次処理のときだけ残業をしないよう、日常業務からコツコツとやれる部分をやっておくようにするということです。
同じように製造でもその他の事務作業でも、偏りがちな業務を平坦にしていくことができないかということを考えていきます。

平準化が難しい場合も

ですが業務の「平準化」が特に難しい業種・業態も中にはあります。
その中の1つが飲食業です。
飲食店の場合、仕事が集中するかどうかは内部での管理というよりも訪れてくれるお客さんの都合によってしまうためで。
セールなどで特定の日に呼び込みを行うというある程度のコントロールはできるものの、例えば一日の時間の中でランチタイムや終業時間近くだけにどうしてもお客さんが集中してしまいます。
まさかお客さんにお店側の都合で「時間を平坦にするように来てください」とはいえませんから、業務の平準化においては実際の飲食の提供以外の部分を考えていくことで対応をしていくことになります。

飲食業では反対に考えれば、お客さんが集まる時刻というのはだいたい決まりきっているというふうに考えることができます。
お店の提供する料理や場所などにもよりますが、だいたい忙しい時間帯というのは1~2時間内に集中します。
つまりそれ以外の時間には十分に手が空くということになるので、その間に料理の仕込みをしたり、掃除や事務作業をしておけば、忙しいときにさらに忙しくなる仕事をしなくてもすみます。
料理をすぐに出せるように準備を事前に整えておいたり、十分な数のスタッフをその時間だけシフトで来てもらうようにするなどの対策です。

業務の平準化においては、ますはその業務業態がどのような特徴を持っていて、なぜどこかに仕事が集中してしまうのかということの原因を洗いなおすことから始めます。