評価制度の導入
業務改善につきものなのが「評価制度の導入」ですが、これは使い方によっては思わぬマイナス面も生んでしまうことがあるので注意が必要です。
数年前には外資系企業が大量に日本国内に入ってきた流れを受け、それまで日本企業型として運営してきた年功序列制度をなくし、個人のあげた成果によって判断する成果制度が多くの国内企業で導入する傾向が出てきました。
ですが行き過ぎた成果制度の運用により、本来は長期的にじっくりと検証をしながら進めていかなければならない業務が短期的に成果を提示しなければならないことで、きちんと最後まで責任を持って物事をすすめることができなくなってしまったケースも見られました。
最近では反対に成果主義制度をあらためて新しい業務遂行の方法を模索する企業も多くなっています。
従業員個人に対して成果や評価を求めるシステムにするのであれば、それを行うことでむしろ本来的な利益を損なうことにならないかということまでよく考えて行うようにしてください。
正しく機能させれば良い効果を出せる
正しくシステムとして利用するのであれば、評価制度はとても業務改善に役立ちます。
例えばそれまでは20時間かかっていたような特定の業務を、個人またはチームの業務改善努力によって10時間でできるようにしたという結果が出たのであれば、それに見合うだけの評価、報酬を与えることでより一層努力をしたいという気持ちになります。
評価制度が全くないと、改善だけしろと頭ごなしに命令だけしておいて、現場がどんなふうに何をしていったかを全く気にとめないというような印象にもとられかねないでしょう。
企業内において最も重要な資源は人ですから、その個人が持っている力を発揮できるような制度を作っていくことが理想です。
評価制度は、何も上司が部下に対して行うものばかりではありません。
時に部下の側から管理職となる上司を評価する制度を取り入れることもまた大切なことです。
個人が業務に携わる指揮を行うのが管理職の役目なわけですから、繁忙期に備えて事前に仕事配分や準備を整えておいたり、適切な仕事の振り分けをしているかどうかは、部下側からのチェックなくしては改善をしていくことはできません。
定期的に部門で話し合いを持って、どのように仕事を分けて担当をしていくかを明確にしましょう。
チーム単位で改善が成功したなら、それをより上部に報告することで他の部門での改善にも応用をすることができます。個人ごと、チームごとにきちんと評価される仕組みをどんどん取り入れていきましょう。