政府から助成金を受けられる制度
業務改善は本来的にはその企業でより効率的な利益を上げることができるようにするために行うものです。
ですが、業務を改善することで政府から助成金を受けることができる場合もあります。
厚生労働省では地域別支援策として、最低賃金が特に低い地域に向けて賃金水準を引き上げるための業務改善を助成金によって促す政策を行っています。
対象となるのは最低賃金が720円以下の37都道府県なので、ほとんどの道府県がこれに該当することになります。
なおこの場合の業務改善の目的は、賃金を引き上げるための計画を作成することであり、そのためにどのような努力を行ったかによって判断が申請の認否が決定します。
助成金支給の要件となるのは、1年あたりの賃金引き上げを時給40円以上にすることであり、最終的な目的として4年以内に時給額を最低で800円にすることを目指します。
業務改善のための実行例としては、就業規則を作成、改定することや、賃金制度を整備すること、また労働能率を向上させるための設備投資を行うことや、従業員に対して研修を行うということです。
その企業での賃金規定は通常就業規則によって定められているものですが、中小企業などの場合では就業規則はお決まりの文言としてしか作成していないためにほとんど実際には機能をしていなかったり、何十年も前に作成したまま放置しているようなこともよくあります。
助成金で業務改善
しかし就業規則を見直し改定するためには社会保険労務士に依頼をしなくてはならないため、その手数料として高額の費用が発生したりします。
助成金ではこのような法や規則を整備をするときにかかる費用について負担することとなっています。
法的な申請をするための手数料の他、どのように業務を改善するべきかコンサルタントに相談をしたときにかかる費用についても負担を受けることができます。
また、労働能率を上げるためには、古い設備を新しくしたり、従業員一人一人に対しての教育を行っていくということも重要になります。
そこで設備投資や新たな機器を導入するときの教育、研修をするときの費用についても助成金の中に含むものとしています。
それまでは業務を改善したいと思ってはいるものの、実際にどこから手を付けたらよいかわからないという担当者や経営者のためにも、この助成金は大変使い勝手のよいものとなるでしょう。
ほかにも直接自治体が賃金上昇をするための相談を個別に受け付けるというサービスもあります。