労災保険加入と周辺知識

労務管理を行っていても発生する労働災害

企業は労務管理を推進するために、規程などの整備を行い適切に運用することを考えますが、こうした対策を練りしっかりと行動していても、起きてしまうのが労働災害です。

こうした災害は気のゆるみなどから起る事が多いといわれ、これを全部予防するということはできないでしょう。

労働災害を完全に予防することはできないのですから、これに備える為に加入することが求められるのが、労働保険です。

多くなっている労働災害・・・万が一ということがある

大手企業の社員が過度で違法な残業を強いられ、労災認定となりそれが大きく報道され訴訟ともなった問題をみなさんもニュースなどで理解されていると思います。

こうした過労死、過労自死、さらにパワーハラスメントなどによって起きた案件について、労働災害と認定され、労災保険がカバーするということが非常に多くなっています。
これは、万が一のことが起った時、そのご家族、従業員を守ることにもつながります。

製造業、建設業などの労働災害が起こりやすい業種の場合、労働災害のほかにも民間保険会社の法定外補償なども活用し、手厚く補償ができる準備をしておくことが求められます。
こうした手厚い補償を行うことで、従業員は企業に対し信頼し仕事を行うことができるのです。

労災保険とはどういう保険なのか

労災保険は労働中に起きた災害を補償するものですが、労働保険制度をよく理解している人は少ないです。

この労災を認定するのは国、労働基準監督署で、会社が認定するということはありません。
政府労災保険というのは、労働者保護の観点から国が直接、被災労働者、その御遺族に対し災害補償するものです。

また労働者以外、事業主の為の制度でもあります。
事業主は労働者の職務上の業務での怪我、病気について一定の補償義務があります。
怪我、病気に対して治療費を払う、休業中の所得補償などをおこなう必要があり、これを行わない場合、罰則適用対象となります。

これを政府労災保険が肩代わり仕組みが作られています。
こうしたことを考慮しても、すべてに万全と呼べることはありませんが、小さな負担で大きく補償を考えることができるので、労災保険は加入しておくことを考える方が安心です。

労災保険は業務災害、通勤災害がありますが、私傷病で労務不能という状態になった時、給与支給がされない場合には、傷病手当金という給付制度があるということも、従業員として理解しておくといいでしょう。

労災はいつ何時、自分の企業に起るかわかりません。
大きな事故であっても、労災保険に加入していることで企業がしっかりと労働者について考えていることがわかりますし、加入しておけば万が一の時にも対応できます。