リスクマネジメントの必要性

現代に不可欠となったリスクマネジメント

リスクマネジメントという言葉をあらゆる場所で聞くようになったのはここ数年のことですが、この言葉の意味をしっかり理解されていない方も多いです。

リスクマネジメントというのは、リスクを組織的に管理し、損失を回避する、また低減するためのプロセスの事です。

こうしたリスクマネジメントが現代においてどうしてこれほど叫ばれるようになったのかというと、現代の社会環境が大きく変化していることが要因といわれています。

企業や組織は効率よくまた徹底下リスクマネジメントが必須と考えており、これを実行するためには、経営者がしっかりと支援を行い、リーダー的存在となりリスクマネジメントの必要性を全従業員に徹底させることが必要です。

リスクマネジメントが強く着目されるようになった理由

実は欧米諸国において、リスクマネジメントは古くから必須とされている物であり、発展した活動が行われてきました。
しかし日本ではいまひとつ発展せずに、やっと近年、注目されるようになりました。

なぜ発展していかなかったのかというと、日本はメインバンク制度があるからだと指摘されています。
欧米ではメインバンク制度がないために、財務としてリスクを徹底管理する必要があり、リスクマネジメントについて発展したといわれているのです。

企業が何かの際に大きな損失を被ったという場合、欧米はこのことが倒産に直結する時代になります。
そのため、財務的補てんを保険的な役割をして求めなければなりませんでした。

しかし日本は戦後、高度経済成長を目的とし、国家戦略において企業財務を銀行窓口とする国からのサポートを受けていました。
これにより日本企業は倒産リスクが高くなる欧米諸国とは違い、リスクに関する懸念が低い状態でここまで来てしまったのです。

現代はこのサポートが無くなり、多くの銀行が貸し渋りするようになり、景気がどん底といわれた時期には多くの企業が倒産していくということを目の当たりにしました。
これにより、リスクマネジメントの必要性を経営者、企業が強く感じるようになったといわれています。

雇用形態の変化によるリスクマネジメントの必要性

メインバンク制度、国のサポートが取り外されたことでリスクマネジメントの必要性が高まったという理由のほかにも、雇用形態が大きく変化したという理由も、リスク管理が必要となった要因としてあげることができます。

企業の不祥事、また業務内での事故などが増加していると感じている方が多くなっているようですが、実はそこに原因があるということはなく、雇用についての変化が影響しています。

高度経済成長期、生産性を高くしより経済成長していこうとしていた時代、ほとんどの企業が終身雇用をしていました。

これは日本社会の通例ともいえるものであり、企業は社員の将来を約束し、社員は企業のために家庭を犠牲にしても働く、こうしたパワーバランスをもって発展してきた背景があります。

しかしバブルがあり経済状態がぐっと低くなった時代に、人件費を削減するということで多くの企業が終身雇用制度を撤廃し、これにより愛社精神も低くなり、今まで表に出る事のなかった不祥事や業務上の事故などが大きく露呈するようになったといわれています。

リスクはどの企業にもあるもの、それを認識管理することがポイント

どの企業にも全くリスクがないという企業はありませんし、リスクを恥じることもありません。
しかし、リスクを認識しているのに管理せず、打開策、改善策を考えないことに問題があります。

リスクは企業にとってマイナスのイメージとなる、こういった思いがあるので、リスクマネジメント管理をしっかり行うことにためらいを持っている企業、経営者も多いのですが、リスクを認識しそれに対して積極的に対応している企業の方がより、イメージもよくなるのではないかと感じます。

問題が大きくならないように管理し、リスクをみつけて改善していくことで、企業が御子こまれるような事態を避けることになります。
しっかりとリスクマネジメントを徹底し、企業経営者、従業員が気持ちよく仕事ができるようにしていきましょう。