EPRとはどういうことなのか
会計、人事、清算、販売という基幹系業務については、個別のシステムで処理するということが今までのやり方でした。
しかし、EPRが登場し、経営情報を統合して経営が見える、効率化を図ることができるシステムが利用できるようになりました。
しかし、EPRという言葉をしっかりと理解されているという方は少なく、案外本当の意味を知らないという方も多いのです。
いまさらなかなか聞くことができないEPRという言葉の意味をしっかり理解していきましょう。
経営効率をあげるEPR
経営資源となるのは、人、モノ、お金ですが、これを統合的に管理し、経営を効率よく行うということを目標に利用する経営情報システムをEPRといいます。
会計システムなどを中心に、清算、販売、人事などのシステムが統合されています。
このEPRが登場した時は「ベストプラクティスで業務改善」といううたい文句が利用されていました。
大手企業はこうしたEPRの導入を進め、内部統制、月次決算、週次決算等の決算処理を短期化し、現在では統合基幹業務システムを利用する企業が多くなっています。
この先、今利用しているEPRよりもさらにすぐれた商品が登場する可能性もあり、初期導入コストを少なくすることができるクラウド型など、中小企業にも導入されていくことが予想されています。
ビジネス用語としてのEPR
ビジネス用語としてすでに定着を果たしているEPRですが、Enterprise Resource Planningを直訳すると、企業資源計画という意味になります。
日本が利用しているEPRとは、少々意味合いがずれているようにも感じます。
EPRは、経営学の手法となっている資材許容量計画「Materials Requirements Planning」の派生です。
MPRは、生産領域にかかるコスト削減を目的としたものなのですが、EPRの場合、生産領域以外、販売、資産、人材、財務会計など、企業が所有する資産全体の統合管理を目的に作られました。
日本においては統合基幹業務システム、統合業務パッケージという意味合いを持つ言葉となっています。
つまり、ほとんどの企業が独立して利用していた管理、運用についての数字や情報を統合することで、簡素化、スピーディーなど運用が向上するソリューションと考えておきましょう。
システムの概要
一つの物を生産し、その製品を会計に組み込む、という1本の流れ、それがEPRです。
これまでは生産や販売などの業務別のシステムがそれ添え稼働していたものを、生産時点から統合して行うというものです。
ビジネス全体の流れを把握しておくべき経営側が、各部門からそれぞれ業務データを取り寄せて統合させるという業務が必要なくなり、必要な時に必要な情報を即時取り出すことができるのがEPRのすごいところです。
経営情報が一つになることで、一目で様々なことを理解できるようになり、仕事の効率にしても経営の組立にしても効率よくできるようにしてくれたのがEPRです。