トップの意思表示
業務改善をするときにはまずトップがしっかりと意識を持ち、そのことを従業員に伝えることでしょう。
または、業務改善を上司から依頼を受けたのであれば、反対に必要な部分に関して譲らず粘り強く交渉をしていくということも大切です。
業務改善に何度も失敗している企業の例をみていくと、最初は業務改善をしようとトップや責任者が提案します。しかし、現場の人に意識や目的が伝わらず、新しい仕組みにきちんと取り組もうとしなかったり、適当に見える部分だけよくして裏側はなんの改善もしていないというようなケースがあります。
業務改善をしようとするときには、必然的にそれまで使っていなかった機材やシステムを導入するようなこととなります。
その新しいことに取り組む煩雑さを受け入れてもらうためには、まずはそれによってどのような効果があり、どんなふうに将来的なメリットがあるのかをトップ、責任者自らきちんと説明をしていくことが大切なのです。
失敗例となりやすいパターン
また、業務改善をしようとするときにはきちんと社内での意思統一をはかりながら行うようにすることも大切です。
失敗例となりやすいパターンをもう一つ紹介すると、経営者が従業員の仕事内容などを把握しようと厳しい決まりや業務の固定化などを打ち出す一方で、経営者側の状況は全く従業員からは見えないようにしているというマジックミラー式の方法をとっているというものです。
もちろんあからさまに財務状況などをすべての従業員にオープンする必要は全くないのですが、末端で業務を行う人だけを一方的に監視して、上層部で行われていることについては監視も監査も行われないというしくみにしてしまうと、内部の風通しが悪くなり忠誠心が著しく低くなって、社内全体で隠蔽がまかりとおるようになってしまいます。
業務改善を目指すときには、社内が一丸となって取り組めるような公平性のある仕組みにしておくことが大切なのです。
どんなに便利な仕組みを導入するにしても、それまでやってきた方法とは違った手順で仕事をするように言われると、中には面倒臭いと思ったり反感を持ったりする人がどうしても出てきてしまいます。
ですがそこで反対意見が一部から出たからといって検証もせずにシステムをやめてしまったり、部門ごとに自由に変更できるようにしてしまっては、せっかくの新システムも意味をなさなくなってしまいます。
変更や改善をするにはきちんと検証を行い、そのうえで効率などを判断するようにしましょう。