ルイ・ヴィトンが行う売れるための戦略

徹底した価格設定

ルイ・ヴィトンは徹底した生産管理のもと、職人の手で作られています。その工程にかかっている分が、価格に反映されています。
また、職人の手でしか生産できないにもかかわらず、ブランドの普及版であるセカンドラインやライセンス生産方式を取っていないため、大量生産しません。
ブランドとしての確固たるイメージを持つため、値段を下げてまで普及したいと考えていないのです。
ルイ・ヴィトンはセールやアウトレット品の販売も行わないため、消費者が購入前に「安くなるかもしれない」という思いを抱かず安心感を持てます。

オリジナルを戦略に

ルイ・ヴィトンのようなハイブランドは他ブランドと比較するのではなく、独自の魅力が重要です。ルイ・ヴィトンの魅力は長く愛用できる品質と使いやすさがリピーターを増やす要因でしょう。
リペアサービスも充実させていることから、長く使ってほしいという想いが込められていることがわかります。
ブラウンを基調とした色は落ち着きを与え、長く持ち続けるための戦略のひとつです。

高級ブランドを傘下に持つ

ルイ・ヴィトンはワイン事業のモエ・ヘネシーと合併し、LVMHグループが誕生しました。ルイ・ヴィトン以外にクリスチャン・ディオールやセリーヌ、ジバンシィなどのハイブランドを傘下においています。
LVMHグループはファッションのハイブランド以外にもワイン・スピリッツ、コスメ、時計といった事業を展開し、成長を遂げた企業です。
それぞれのブランドイメージの独自性を重視していることから、ブランド名を知っていても、これらが同一グループであることは知られていなかったりします。
一見、それぞれの事業は関連性がないように見えますが、すべての対象が富裕層向けにグループが形成されました。
このグループの利点は、ブランド価値の再生です。仮にあるブランドの業績が赤字でも他のブランドの利益を投じて、再生に時間を使うことができます。
さらに、再生のノウハウを蓄積することで、別ブランドにも活かせられます。規模が大きくなるほど力を発揮できるのは大きな強みです。

ルイ・ヴィトンは中古市場でも比較的高価での買取が期待できます。ノーブランドなら買取ってもらえないようなボロボロの状態でも買取されることから、ルイ・ヴィトンの人気が伺えます。
中には定価の8割の値段で買取が行われることも。持つことに憧れのあるブランドだからこそ、中古でも需要があるのです。